No.15 質問スキル プラスα

カウンセラーにとって、「質問上手」になることが「聞き上手」である大きな要因だという観点から、具体的な質問の仕方についてお話してきましたが、この回からはカウンセラーが使う言葉について焦点をあてることにします。

言葉のイメージや意味は、個人個人で少しずつ違います。また言葉を受け取る相手の心の状態によって言葉が及ぼす影響は違います。例えば、自分の資質を表現する「まじめ」という言葉をポジティブにイメージする人(「何事もきちんとこなす」など)もいれば、ネガティブにイメージする人(「面白味がなくつまらない」など)もいます。同じ言葉を使っていても、その言葉を発する側と受け取る側でイメージやニュアンスが違っていることは、日常的にもよく経験することではないでしょうか?

カウンセリングを受けにくる人は、悩みや問題を抱えていることが多いのですが、クライアント自身が「私の問題は・・・」と話の中に「問題」や「悩み」という言葉を当たり前のように使うことはよくあります。しかし、カウンセラーが「問題は何ですか?」または「お悩みは何ですか?」と質問した途端に、「問題というほどでもないんですが・・・」「悩んでいるわけではないんですが・・・」と、「問題」や「悩み」という言葉に抵抗や反発を示す人もいます。クライアントの側にネガティブな事象に向き合い、受け止める準備ができていない場合、ネガティブな意味を示す言葉に強く反応することは少なくありません。
それでは「問題」や「悩み」という言葉を使わずにどのようにクライアントに質問すればいいのでしょうか?

たとえば・・・

「今日お話したいことは何ですか?」
「お話の内容を教えていただけますか?」
「今日はどのような事象についてお話されたいですか?」
「今日相談にいらした理由を聞いてもいいですか?」
「何からお話したいですか?」
「お話しやすいことから話していただいていいですよ。」

など、「問題」や「悩み」という言葉の変わりに「内容」「事象」「理由」など、ポジティブでもネガティブでもない言葉を使って質問をすることができます。
人によっては、カウンセラーに「問題」という言葉を使われたことで、「あぁ~、やっぱり私の直面していることは、『問題』なんだぁ~」と気落ちするケースさえあります。言葉ひとつにこんなに気を遣わなければいけないのかと思うかもしれませんが、言葉ひとつで相手に「安心感」を与え、意思の疎通をよりスムーズにすることができるともいえます。