No.12 相談者に考えさせ、認知と意識につなげる質問スキル 

「いかに相手に耳を塞がせず、傷つけず、批判や非難に聞こえないように質問する」スキルを持つことが、カウンセラーである所以と言っても過言ではないかもしれません。相手の心の状態によって、こちらが発した質問の聞こえ方、捉え方は様々で、言い換えれば、それだけ質問の“仕方”には、リスクを伴うということでもあります。

場合によっては、自分がちゃんと相手の話を理解しているか不安な中で質問しなければいけないこともあります。そのようなときに私がよく使うのが、「もし間違っていたらそう言ってくださいね」という枕詞のような前置きです。この枕詞を質問内容の前に置くことで、相手に「もしかしたら間違った解釈をされているかも」という心の準備をさせるだけでなく、実際に間違っていた場合に、相手が「間違っている」と正直に言い易くさせる効果があります。

相談する側とされる側には、どんなに相談される側が意識しても自然発生してしまう力関係があります。そうすると相談する側が「あなたの解釈は間違っています」と正直に相談している相手に伝えることは、意外に勇気のいることだったりします。せっかく自分の話に耳を傾けてくれる人が見つかったのに、そんなことを言ったら信頼関係が壊れてしまうと不安に思っているかもしれません。だからこそ相談される側が「間違っていたらそう言ってくださいね」と伝えることで、自然発生した力関係を少し和らげることができるとも言えます。

100%共感できて理解できる傾聴は非現実的です。従って、話し手に正直に発言してもいいという安心感をいかに与えるかが重要なのだと思います。